産学官医連携事業

NSSA、立命館大学、名古屋学院大学(協力:名古屋大学、愛知淑徳大学)による産学共同研究組織
「ストリートダンス・エデュケーション・ラボ」を発足

2012年の春より中学校でダンス教育が必修化されました。
しかし、教育現場ではリズムダンスを指導できるノウハウがまだ整備できていない学校が多いのが現状です。
日本ストリートダンススタジオ協会、立命館大学、名古屋学院大学(協力:名古屋大学、愛知淑徳大学)は、そうした現場をサポートできる、より体系だった教育プログラムを共同で研究・開発する「ストリートダンス・エデュケーション・ラボ」というプロジェクトを発足し、随時学校でのテスト導入を実施しております。

新しい指導方法の検証を行いました新しい指導方法の検証を行いました

新しい指導方法の検証を行いました

日時 平成25年2月14日(木)
会場 ダンススタジオDO-UP
担当 立命館大学情報理工学部
担当インストラクター 山際加那
取材メディア テレビ大阪

全体概要

“ストリートダンス・エデュケーション・ラボ”全体概要

プロジェクトの詳細

ダンス授業実施の様子

茨木市立郡山小学校 ダンス授業風景

平成23年度より小学校でのストリートダンス(ロック、ヒップホップ)の授業がスタートし、25年までに中・高校の導入が決定されました。

現在、NSSA(一般社団法人日本ストリートダンススタジオ協会)は、小学校からの要望でインストラクターを学校に派遣しレッスンを行う教育現場のサポート活動を実施しています。

そうした活動の中で、ストリートダンスに精通していない先生でもしっかりと基礎を指導できる、怪我のない安全で体系だった分かりやすい教育プログラムの必要性を感じ、名古屋大学総合保健体育科学センタースポーツバイオメカニクス研究室、立命館大学情報理工学部情報コミュニケーション学科と共同でストリートダンス教育プログラムを研究するプロジェクト「ストリートダンス・エデュケーション・ラボ」を発足いたしました。

NSSA加盟スタジオには、世界的に有名なダンサーも数多く在籍し、初心者~インストラクターを養成する教育のノウハウが蓄積されています。
そのノウハウをベースに、名古屋大学総合保健体育科学センタースポーツバイオメカニクス研究室が三次元動作解析装置等で高度な分析データを収集し、教育では不可欠な「安全性」に配慮した最適な動きや、「うまい」「へた」の分かりやすい評価基準づくり等を付加していくことで、より体系だった効果的な教育プログラムを研究します。

さらに、そのプログラムを立命館大学情報理工学部情報コミュニケーション学科仲谷善雄研究室で、より分かりやすい伝達ロジックを設計し、CG等を活用し具体的に視覚化することで、ダンススキルが高くない教師の方でも指導が可能になる教育ソフトの研究を実施します。

この2つの研究成果は平成23年春頃に第1回目のリリースを予定し、その後も研究を続けていく予定です。この研究成果は教育現場のみならず、ストリートダンスの大会の審査基準にも採用を予定しております。
今までストリートダンスの審査には明確な基準がなく、審査員によって結果が左右されておりましたが、この研究成果を審査基準に採用することにより、審査の公平性が確保されるようになります。神戸ハーバーランドで2011年7月に開催予定の「ストリートダンスフェスティバル2011 in KOBE HARBORLAND」から審査基準に採用予定です。


研究実施の先生のコメント

仲谷善雄 教授

仲谷善雄 教授

  • 立命館大学 情報理工学部
    情報コミュニケーション学科

先生のコメント

仲谷研究室では、人の心理や行動をモデル化して、それに基づいてシステムを構築する方法論(認知工学)の研究をしており、その技術を防災、ITS(高度道路情報システム)、思い出工学、感性工学などの分野に適用しています。
今回のストリートダンスの研究も、大きくは世代間の知識や技能の継承の支援という、認知工学の重要なテーマの一環として実施しているものです。背景となる個人の知識、経験、感受性などが異なる人の間で、知識や技能をどのような方法で継承すればよいのか、試行錯誤をしながら研究を進めています。このような、一見取り付く島のないような研究においては「現場」が大変重要です。現場での人の感じ方、動き方、そこでのトラブルなどが、アイデアを生み出す重要な源泉となりえるのです。
我々は大学の研究室ですから、現場を持っていません。今回の日本ストリートダンススタジオ協会さんとの協力関係は、その意味で非常に重要なことであると心から喜んでいます。今後の展開と しては、ダンス未経験者にストリートダンスの動きやノリをどのように教えればよいのかを検討するのですが、鍵となるのは、継承すべき知識の「言葉」化を試みる中で、言葉で表現して伝えられることと、言葉では伝えられないことを見極め、それぞれを適切な手段で支援することだと考えています。今後の展開に期待して頂きたいと思います。

仲谷研究室 http://www.sc.ics.ritsumei.ac.jp/

佐藤菜穂子 氏

佐藤菜穂子 氏

  • 名古屋学院大学リハビリテーション学部助教

先生のコメント

名古屋学院大学 リハビリテーション学部では、モーションキャプチャシステムを用いて、ダンスパフォーマンスを三次元的に捉え、ダンスの熟練者と未熟練者のパフォーマンスの比較を行っています。
ダンスにおける各種のパフォーマンスは、単に技術だけでなく「見栄え」が重要であり、そのパフォーマンスに対する評価も観ている者の主観に左右されるという特徴があります。未熟練者と比較した時の熟練者の特徴そのものが、観ている者にとって「うまい」と思う要素になるとは限りませんが、熟練者の特徴と観ている者の評価を対応させて考えることで、その評価の基準を探っていきたいと考えています。
私自身もダンスをやっていますので、「どうしたらうまくなるのか?」「うまい人と自分の違いは何だろう?」ということを常に考えてきました。「うまい」ということがどういうことなのかを少しでも客観的に示すことができれば、効率のよい練習方法を考えるヒントにもなり、また学校の授業に取り入れられた際にも役立つと考えています。
今回、この「ストリートダンス・エデュケーション・ラボ」の発足によって、ダンスに対する知識や、安全性、指導技術などが、どんどん向上していくことを期待しています。

<協力大学>
愛知淑徳大学:池上康男 教授
名古屋大学:布目寛幸 准教授

  • 踊育(だんいく)教育プロジェクト ストリートダンスを通して、学び、得られる、多くのコト。

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