60歳からの健康ダンス

「10歳若返りダンス」で10歳若返りチャレンジ

認知症予防にもなり、かつ速く歩くことができるようになる「10歳若返りダンス」教室を受講中の8週間に、その後の人生をより健康で楽しく過ごしていただくために、自分のライフスタイルに合った食習慣口腔ケア、生活習慣や運動習慣の「良い習慣」を実践していただき、前向きに行動変容を促すことを目指すプログラムです。(主催:大阪府、運営:日本ストリートダンススタジオ協会)

大阪府内12会場、60〜92歳まで、
500名以上の皆さまにご参加いただきました

10歳若返りダンス教室 吹田市立総合保健センター

吹田市立総合保健センター

10歳若返りダンス教室 東住吉区民ホール

東住吉区民ホール

10歳若返りダンス教室 生野区民センター

生野区民センター

10歳若返りダンス教室 カモンたかいし(高石市)

カモンたかいし(高石市)

10歳若返りダンス教室 タツタ電線体育館(東大阪市)

タツタ電線体育館(東大阪市)

10歳若返りダンス教室 サポートやお(八尾市)

サポートやお(八尾市)

10歳若返りダンス教室 久宝寺コミュニティーセンター(八尾市)

久宝寺コミュニティーセンター(八尾市)

10歳若返りダンス教室 高石市 総合保健センター

高石市 総合保健センター

10歳若返りダンス教室 摂津市立新鳥飼公民館

摂津市立新鳥飼公民館

10歳若返りダンス教室 市立青少年センター(東淀川区)

市立青少年センター(東淀川区)

10歳若返りダンス教室 平野区老人福祉センター

平野区老人福祉センター

10歳若返りダンス教室 大阪市立新東三国小学校(淀川区)

大阪市立新東三国小学校(淀川区)

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩
などに関するミニ講座も実施

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

歯科医師会による口腔ケア講座

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

大阪府警による見まもり散歩講座

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

スマホセミナー後の個別相談

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

保健師による災害時に備えた体力作り講座

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

(株)ビズジーン様による歯周病菌検査

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

奈良医大による口腔ケア・食習慣講座

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

社会福祉協議会による認知症予防講座

食習慣、口腔ケア、生活習慣、認知症予防、見まもり散歩などに関するミニ講座

オレンジチームによる介護予防講座

8回の「速く歩けるようになるダンス」レッスンについて

8回のダンスレッスンは以下の構成で行いました

  • 速く動けるようになるダンス(2回)
  • 足腰の筋力強化ダンス(2回)
  • 体幹の安定性強化ダンス(2回)
  • 股関節の柔軟性アップダンス(2回)
  • 歩幅を広くする
  • 足の回転を速くする
  • 安定した姿勢を保持する

これらの要素が全ての振付に入っています

8回のダンス振り付け動画はこちら

速く歩けるようになるダンスのプログラム監修 名古屋学院大学 リハビリテーション学部 准教授 佐藤菜穂子 博士
速く歩けるようになるダンスのプログラム監修

名古屋学院大学 リハビリテーション学部 准教授
佐藤菜穂子 博士

なぜ「ダンス」なのか?

年齢を重ねるごとに、歩行スピードはどうしても落ちてしまいます。歩行スピードが落ちることは、健康リスクの上昇だけではなく、認知機能の低下にも悪影響を与えます。

速く歩けるようになるためには、「歩幅を広くする」「足の回転を速くする」「安定した姿勢を保持する」ことが必要で、これらの要素を含んだダンスのプログラムを、名古屋学院大学リハビリテーション学部の佐藤菜穂子准教授とNSSAが共同で作成しました。

ダンスは音楽に合わせて仲間と同じ動きをするため、「楽しんで」練習ができることが最も大きな特徴です。音楽に合わせて、楽しみながら、自然と上記の3つのポイントを身につけることができます。また一定のリズムに合わせて振り付けを踊ることによって、速く歩くことに必要なリズム感も身につきます。

ダンスの楽曲を変えると新しい振り付けに次々にチャレンジをすることができるため、飽きが来ません。ダンスの練習に前向きに取り組むことにより、「少し踊れるようになった!」「速く歩けるようになった!」といった小さな成功体験をきっかけに、「体を動かすことが楽しい」「皆でワイワイするのが楽しい」と感じることが出来れば、運動を積極的に行うようになる高齢世代を少しでも増やせるのではないかと考えています。

体力測定項目(ダンス1回目と7回目)

今回の全会場の参加者の平均年齢は73.3歳です。

  • FRテスト = バランス能力
  • 30秒椅子立ち上がりテスト = 足の筋力
  • TUG = 総合的な歩行能力を評価

体力測定項目(ダンス1回目と7回目)

これらの測定項目の全国平均値を活用し、参加者の測定結果から、全国平均値と比較して若返り年齢を数値化しました。

30秒イス立ち上がり TUG FRテスト
5歳以上若返り 10歳以上 5歳以上若返り 10歳以上 5歳以上若返り 10歳以上
86% 65.30% 38.80% 17.80% 63.60% 60%

3種類の測定項目のいずれかで、10歳以上の若返りを達成された方は88.8%5歳以上の若返りを達成された方は93.4%となりました。

測定結果について(体力)

測定結果

監修者コメント(名古屋学院大学リハビリテーション学部 佐藤准教授)

10歳若返りダンスの実施前と比べ、実施後ではFRテスト、30秒イス立ち上がりテスト、TUGテスト、すべてにおいてt検定で有意に改善しました(p<0.01)。またそれらの体力年齢もすべてにおいて有意に若返りました(p<0.01)。これらの結果から、10歳若返りダンスを実施したことで、足の筋力、バランス能力が改善し、転倒のリスクも下がることが示されました。行動範囲も拡大することが予想され、心身ともに若返ることができたのではないかと考えます。

測定結果について(認知機能)

認知機能検査(ダンス1回目と7回目)

測定結果

  1. ①集団式松井単語記憶テスト(即時再生)
    (10個の単語を覚えて書く作業を4回繰り返す。40点満点)
  2. ②山口漢字符号記号テストYKSST(符号変換)
    (色を表す漢字を対応する記号に変換する評価。正解の記号数が得点)
  3. ③語想起テスト
    (動物名を1分間でなるべく沢山書く作業を行う。正答数が得点)
  4. ④集団式松井単語記憶テスト(遅延再生)
    (①で記憶した10単語を思い出してなるべく沢山書く。10点満点)

上記全項目において、t検定で0.000(1%水準で有意差あり)

監修者
監修者コメント

認知機能・行動変容監修 奈良県立医科大学 老年看護学講座 教授
澤見一枝 博士

ダンスの健康効果として、ダンスは有酸素運動なので、心肺機能の向上や筋力の増強、一定時間リズムに合わせて運動を続けるための持久力の向上、四肢を動かすことで関節可動域の拡大や柔軟性の向上などがあります。さらに、音楽に合わせた動きを行うことで脳を使い、振り付けを記憶することで認知トレーニングにもなります。ダンス初回と7回目に、認知テストを行いました。その結果、即時再生(覚えてすぐの記憶)、符号変換(実行機能や注意力)、語想起(長期記憶の語彙記憶から名称を想起する)、遅延再生(少し前に覚えたことを思い出す)といった一連の課題が、すべて有意に向上しており、脳も若返りました。

測定結果

TUGとYKSST(符号変換)の相関

TUGはすべての認知機能(即時再生、遅延再生、符号変換、語想起)と-0.4前後の相関があり、中でも符号変換は最も高い相関でした。つまり、歩行速度が速いほど、記憶力も記銘語の想起も高く、最も関連していたのは注意・遂行能力でした。

上記の内容について、以下に論文が掲載されています。

European Journal of Medical and Health Sciences

論文について詳しく見る

南海トラフ地震の津波から逃れるための「垂直避難」に繋げる取り組み

大阪市淀川区での実践(10月19日〜12月14日)においては、南海トラフ地震で津波が発生した場合、淀川と神崎川に挟まれたところに位置する淀川区は、かなり広範囲での浸水の被害が予想されているため

  • 水害発生時はできるだけ早く浸水想定エリアから徒歩で逃げる
  • できるだけ早く高い建物の上層階に逃げること(垂直避難)

を目標に、防災にも強いダンスプログラムとして、淀川区社会福祉協議会と共同で、災害時に「避難所」となる小学校をお借りして、8週間に渡り、歩幅を広くしたり、足の回転数を上げるなどの要素を盛り込んだ「速く歩けるようになるダンス」の実践と同時に、防災に対応するためのミニ講座なども実施しました。

津波からの迅速な避難のために垂直避難を想定してのタイム測定
津波からの迅速な避難のために垂直避難を想定してのタイム測定
速く歩けるようになるための基礎トレーニングの実践
速く歩けるようになるための基礎トレーニングの実践
速く歩けるようになる要素が詰まったダンスを楽しく実践
速く歩けるようになる要素が詰まったダンスを楽しく実践
保健師さんによる災害時に備えた健康作りについての講座
保健師さんによる災害時に備えた健康作りについての講座
大阪公立大学防災センターによる座学の防災講座
大阪公立大学防災センターによる座学の防災講座

淀川区会場の参加者を対象に、上層階への垂直避難の速度を計測するため、小学校の1階から3階まで登る速さを測定し、ダンス実施前と、ダンス実施後の結果の前後比較を行いました。

  • ダンス1回目(1週目)の測定時の平均タイムは30秒81
  • ダンス7回目(7週目)の平均タイムは23秒74

7.07秒短縮されました(淀川区会場の参加者の平均年齢は74.17歳)

高齢者の歩行速度を上げて、防災力を高める「防災と足はやダンス」シンポジウムを開催

シンポジウム実施概要

日時 2024年3月26日(火)10時〜12時
会場 大阪市立新東三国小学校 体育館
主催 大阪市淀川区社会福祉協議会、公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会
協力 奈良県立医科大学老年看護学講座、名古屋学院大学リハビリテーション学部

シンポジウム当日の実施内容

  • 基調講演:災害と体力
    (履正社医療スポーツ専門学校 鍼灸学科 学術主幹 医学博士 防災士 古田髙征氏)
  • 実施報告
    (奈良県立医科大学 老年看護学 澤見一枝教授、淀川区社会福祉協議会担当者、日本ストリートダンススタジオ協会 代表理事)
  • シニア世代が速く歩くことができる基礎トレーニングの実践や、ミニダンス講座を実践

高齢者の歩行速度を上げて、防災力を高める「防災と足はやダンス」シンポジウムを開催

高齢者の歩行速度を上げて、防災力を高める「防災と足はやダンス」シンポジウムを開催

高齢者の歩行速度を上げて、防災力を高める「防災と足はやダンス」シンポジウムを開催

シニア世代が速く歩くことができる基礎トレーニングの実践や、ミニダンス講座を実践

シニア世代が速く歩くことができる基礎トレーニングの実践や、ミニダンス講座を実践